様々な工夫を通じてお客様のロイヤルティを高めることは、店舗の売上UPのための最優先事項です。お客様があなたのお店のことを認知し、他のお店と比較検討し、来店し、食事・商品購入、そして再びまたあなたのお店に再来店するまでには、このようにさまざまなフェーズを通ります。このフェーズの流れがまさに「カスタマージャーニー」なんですね。
ロイヤル顧客を育てる際に大切なのは、まず前提としてお料理のクオリティーやサービスに満足してもらうこと。その上で、このカスタマージャーニーを把握して、新規顧客や、見込み優良顧客、見込み離反顧客、それぞれのフェーズにあったアプローチを取ることです。
今回は、新規顧客を獲得してから、リピーター、さらにはロイヤル顧客へと育てていく上で、その効果測定をするときに基本としたい4つの「目標値」について考えてみましょう!
STEP1: メンバー登録率 – どのくらいの割合で新規顧客がメンバーになってくれている?
STEP2:メンバー活発度 – メンバーは、何日以内に再来店してくれている?
STEP3: 3回目の来店率 – 3回が山場!どのくらいが3回来店に到達している?
STEP4:ロイヤル顧客の来店周期 – 特別なお客様の来店頻度
STEP1: メンバー登録率
現在日本では、飲食店の数だけでおよそ70万店舗以上あります。数あるお店の中から、あなたのお店を選んでくれたお客様。来店後もお知らせやメッセージを送れるように、「繋がり」を持つことが大事ですね。例えば、
- メルマガに登録してもらう
- FacebookやInstagramにいいね!してもらう
- LINE@で友達になってもらう
- ポイントカードに登録してもらう
- アプリをDLしてもらう
・・・などなど、まずはお客様にアプローチできる「繋がり」を持ちましょう。
ここでしっかりと把握すべきなのが、全体の来店客数に対して何%が「メンバー」登録してくれたか。業態や店舗規模によっても異なってきますが、例えば大手コンビニチェーンの共通ポイント。来店すると必ず「カードお持ちですか?」と聞かれますよね。あれほど勧誘オペレーションを徹底していても、良いお店でも、利用率は3割前後らしいです・・・。多いと思いますか?少ないと思いますか?私は少ないと思います。
さらに、最近では「お店のアプリを入れるとお得な情報が届きます!」といった販促施策もよく見かけるようになりました。でも、アプリをDLするのって、お客様にとっては結構めんどくさい・・・。DLしてもらったとしても、「プッシュ通知」をONにしていないとメッセージはお客様に届きません。プッシュ通知サービスを提供しているUrban Airshipが6ヶ月間5億プッシュの統計から発表したデータによれば、プッシュ通知の ”許諾率”は35%~50%ということが分かっています。半分以上のユーザーには通知が届かないのです・・・。
もちろん、これらの数字は業態や店舗規模によって変わってきます。お客様に「気軽に」メンバーになってもらえて、且つ配信停止されにくく、長期的にアプローチできる方法は何か、目標値を設定して計測しましょう。
STEP2:メンバー活発度
これは、メンバーになってから「何日以内に何%の人が再来店・購買行動に移ったか」の指標です。メンバーに送ったクーポンやメッセージの「利用率」で測るのもいいでしょう。例えば、「新規来店から60日以内に15%のお客様に再来店してもらう!」といったところです。
この目標値が明確になっていれば、逆算して「いつ」「誰に」「どんな内容」のクーポンやメッセージを送ればいいかが考えやすくなりますね。
余談ですが、来店の動機作りに「ゲーム性」が加わると消費意欲が増すことが分かっています。最近「おもしろいな!」と思ったのは「串カツ田中」のLINE@クーポンで「抽選に当たればたこ焼きが無料で楽しめるスペシャルクーポン」が届きました。
抽選に当たると、即時でこんなクーポンが届いた・・・!
なぜだろう、抽選に当たって貰えたクーポンだからか、普通にクーポンが届くよりお得感が増した気がした。私が単純なだけなのか。いや「串カツ田中」の販促施策が一枚上手なのでしょう・・・。
STEP3: 3回目の来店率
2回目に来店・購入してくれることは、お店を気に入ってくれているということなので、ロイヤル顧客になる可能性が大きいです。
下の図は居酒屋業態の平均的なリピート率の推移を表したものです。1回目から2回目の来店率はガクッと下がりますが、3回来店してもらえれば、その後の来店率はほぼ一定で保たれます。つまり、3回来店してもらうことができれば、その後は定期的に戻ってきてくれる「ロイヤル顧客」となるのです!
3回目の来店率を把握して「昨年比◯%」と目標値を設定することは重要な戦略になります。
STEP4:ロイヤル顧客の来店周期
前述のように、3回以上来店したお客様は「ロイヤル顧客」と言えます。ここからカバーしたい目標値は「ロイヤル顧客に月何回来店してもらうか」という指数になります。例えば、お店の平均来店周期が60日だったとすると、「ロイヤル顧客は45日を目指す!」といった考え方です。
この目標値を達成するためには、しっかりとお客様の属性や購買行動のデータを収集し、それを基にしてターゲティングされたメッセージの配信が重要になります。
まとめ
お店のロイヤル顧客を育てるため、時間軸に沿った4つの目標値について紹介しました。属性や、購買行動に基づいてセグメントすることももちろん大事ですが、1回しか来店していない人と5回来店してくれている人では、刺さる内容も変わってきますよね。ぜひ参考にしてください!